第6話

「だから寿美子が本当のこと言ったらね。」

喫茶店アマンドの中は少し混み始めた。平日の昼間の喫茶店というのは、どうしてこうもサラリーマン一人という姿が多いのだろうか。全員が仕事をさぼっている営業マンに見える。全員でないにしても、その何割かは本当にさぼっているのだろう。

「いないのに、いるって言えないでしょ。」

寿美子はそれでも、浮気していないことを主張した。

「じゃあ、俺から言うけど、去年のクリスマスイブ、男と会ってたでしょ。」

寿美子は一瞬、考えた。

「会ってないよ。」

「みいちゃんの友達のうちに、パーティー呼ばれたとか言ってた日だよ。本当は、一晩中、男とドライブして、どっか泊まったんでしょ。」

「またその話し?違うって、あの時言ったでしょ。」

「どう考えたって、あれはクロだよ。」

「そう思うのは、拓磨の勝手だよ。」

「別れて欲しいんなら、正直に言えばいいじゃん。何を、この期に及んで隠すことあるの?その心理が俺には理解できないよ。最後まで、ええかっこしたいの?どうせ別れる相手なら、何言ったっていいじゃん。」

「・・・」

「俺が最初に疑い出したのは、その時だよ。」

「・・・」

「じゃあ、もっと言おうか。その1週間くらいあと、年が明けた今年の正月、2日に会ったよね。あの時、突然、変な携帯持ってたよね。なんか苦しい言い訳してたけど。あれだっておかしいよ。」

俺は次の疑惑の種を、寿美子にぶつけた。

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